
細かい模様や精密な形状を作り出すことができるエッチング加工は、電子部品や装飾品の製造などの分野で用いられています。
この記事では、金属のエッチング加工の基本的な仕組みや、そのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
エッチング加工に興味がある方や、依頼できる業者を探している方はぜひ参考にしてください。
金属のエッチング加工とは?
金属の表面に酸や特殊な化学薬品を用いて、選択的に溶解させることでデザインやパターンを作り出す加工技術です。
金属表面に耐酸性のマスキングを施し、不要な部分を化学的に溶かすことで模様や形状を形成し、精密なパターンや微細なデザインを作り出すことができます。
エッチング加工のメリット・デメリット

エッチング加工の主なメリット・デメリットに関しては以下の通りです。
メリット
・高精度
・低コスト
・短納期
高精度で複雑なデザインや微細な加工が可能で、プレス加工やレーザー加工では再現が難しい細部の表現も実現できる点が大きな特徴です。細かな模様や繊細な形状を求められる製品において、その精密さは魅力的です。
さらに、バリやカエリ、ひずみ、たわみといった、加工時にしばしば発生する問題がほとんど発生しないため、仕上がりの品質が高く安定しています。
加えて、エッチング加工では金型を必要としないため、金型の設計・作成にかかるコストや時間が発生しません。
そのため、コストパフォーマンスに優れた加工方法としても評価されています。金型の製作が不要であることから、製品の開発から納品までの期間を短縮でき、迅速な生産が求められる試作や小ロットの製品にも柔軟に対応できるのが、エッチング加工の強みです。
デメリット
・大量生産に不向き
・厚板加工に不向き
デメリットとしては、大量生産には不向きな点が挙げられます。エッチング加工は試作や小ロットの生産に適している反面、大量生産の場合、他の加工方法と比較してコストや時間がかかりやすく、効率性が低くなります。大量の製品を短期間で生産する場合には、プレス加工などのより効率的な方法を選んだほうが良いです。
また、エッチング加工は厚板の加工には適しません。通常、比較的薄い金属板であれば高い精度で加工できますが、厚みのある材料に対しては加工精度が低下し、作業時間も増加します。そのため、厚板を使用する製品や部品には、別の加工方法が選択されることが多いです。
エッチング加工の流れ

エッチング加工は基本的に、以下の流れで進められます。
①前処理
加工する金属板に付着している油や汚れを取り除き、表面をきれいにします。この前処理を丁寧に行うことで、レジスト(感光性フィルム)の密着性が高まり、精度の高い加工が可能になります。
②レジスト
金属板の両面にレジストを均一にラミネートします。このレジストがエッチングを行わない部分を保護する役割を果たします。
③露光
レジストが付着した金属板に、フォトマスク(加工するデザインが描かれたシート)を被せ、露光します。フォトマスクの遮光されていない部分に光が当たり、その部分のレジストが感光し、フォトマスクのパターンが金属に転写されます。
④現像
露光後、感光しなかった部分のレジストを現像処理で除去し、金属の素地を露出させます。その現像によって、エッチングする部分がはっきりと浮かび上がります。
⑤ エッチング
エッチング剤(薬品)をかけ、レジストで保護されていない部分の金属を溶かして削ります。
⑥剥離・検査
エッチング加工が完了した後、製品に残っているレジストを剥離し、金属表面をきれいに洗浄します。その後、加工精度や仕上がりを検査して、最終製品が完成します。
以上がエッチング加工の流れになります。
金属のエッチング加工を依頼するなら

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金属のエッチング加工について
金属のエッチング加工とは、薬品を使って金属の表面を溶かし、微細なデザインやパターンを形成する加工方法です。主なメリットとして、高精度で複雑なデザインの加工が可能であり、バリやカエリ、ひずみやたわみといった問題が発生しにくい点が挙げられます。
また、金型を必要としないため、コストを抑え、短納期での加工が可能です。一方、大量生産や厚板加工には不向きというデメリットもあります。試作や小ロットの生産に適した加工方法です。
金属のエッチング加工の依頼を検討している場合にはぜひ、三ツ矢にご相談ください。