
私たちの身の回りにあるスマートフォンやパソコン、自動車、家電製品など、あらゆる電子機器の中で重要な役割を担っているのが「半導体」です。ニュースやビジネスの話題でも頻繁に取り上げられますが「そもそも半導体とは何か?」と聞かれて、はっきりと説明できない方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、半導体とは何かをはじめ、構造・仕組み、主な種類、活用例などをわかりやすく解説します。
半導体とは?
半導体とは、電気を通す「導体」と、ほとんど電気を通さない「絶縁体」の中間的な性質の物質のことを指します。代表的な材料としてはシリコン(ケイ素)があり、現代のほとんどの電子機器に使用されています。
半導体の性質により、条件に応じて電気の流れをコントロールすることができ、情報の処理や制御を行えるのです。スマートフォンやパソコン、自動車、家電製品など、私たちの生活を支える様々な機器の心臓部ともいえる存在です。
構造・仕組み
半導体は、原子レベルで見ると規則正しく並んだ結晶構造で、シリコンの場合、純粋な状態では電気をほとんど通しませんが、そこに微量の不純物を加えることで電気の流れを調整できるようになります。その工程を「ドーピング」と呼びます。
不純物の種類によって「n型半導体」や「p型半導体」が作られ、それらを組み合わせることで電流のオン・オフを制御する仕組みが生まれます。その基本構造が、トランジスタやダイオードといった半導体素子の土台になっています。
種類
半導体は機能や構造によって分類されます。機能別では、「メモリ」「ロジック」「アナログ」「パワー半導体」などがあります。メモリはデータを記憶する役割を担い、DRAMやNANDフラッシュが代表例です。ロジック半導体はCPUやGPUなどに用いられ、演算や制御処理が行われます。
アナログ半導体は温度や音声などの連続的な信号を扱い、パワー半導体は電力の変換・制御を担います。
構造別では、単一機能のディスクリート半導体と、複数の素子を集積したIC(集積回路)に分かれます。ICは集積度に応じてSSI、MSI、LSI、VLSIなどに分類されます。
半導体が使われている主な分野・活用例

半導体は、私たちの生活や産業を支える幅広い分野で活用されています。ここでは、代表的な分野ごとに具体的な製品や用途を紹介します。
家電製品
テレビやエアコン、冷蔵庫、洗濯機などの家電製品には、制御用の半導体が組み込まれています。温度調整やタイマー制御、省エネ機能の実現などは、半導体による精密な制御技術によって支えられています。
情報通信機器
スマートフォンやパソコン、タブレット、ルーターなどの情報通信機器には、多数の半導体が搭載されています。CPUやメモリ、通信チップなどが連携し、データの処理や保存、送受信を行っています。
自動車・モビリティ分野
自動車にはエンジン制御やブレーキ制御、エアバッグ、カーナビ、運転支援システムなど、数多くの半導体が使われています。特に電気自動車(EV)やハイブリッド車では、電力を効率的に制御するパワー半導体が不可欠です。自動運転技術の進展により、センサーやAI処理を担う半導体の重要性も高まっています。
産業機器・製造装置
工場の生産設備やロボット、工作機械などにも半導体が活用されています。モーター制御やセンサー制御、データ解析などに使用され、効率的で安定した生産活動を支えています。スマートファクトリーの実現には、高度な半導体技術が欠かせません。
医療機器
CTやMRI、超音波診断装置などの医療機器にも半導体が使われています。精密な画像処理やデータ解析を行うことで、正確な診断を実現しています。また、ウェアラブル機器や遠隔医療機器にも小型・高性能な半導体が搭載されています。
エネルギー・インフラ分野
発電設備や送電システム、再生可能エネルギー設備にも半導体は不可欠です。太陽光発電や風力発電では、電力変換を行うパワー半導体が重要な役割を担っています。社会インフラの安定運用を支える基盤技術としても活用されています。
半導体の製造工程

半導体の製造工程は、大きく「前工程」と「後工程」に分けられます。前工程では、シリコンウエハ上に回路を形成します。成膜やフォトリソグラフィ、エッチング、イオン注入などの工程を繰り返し、微細な回路パターンを作り込んでいきます。ナノメートル単位の精密な加工技術が求められるのが特徴です。
その後の後工程では、ウエハを個々のチップに切り分け、パッケージ化して外部と接続できる状態に仕上げます。最終的に電気特性検査や外観検査を行い、品質を確認したうえで出荷されます。
半導体製造において重要な役割を果たしているのが、各工程で使用される治具や加工部品です。高い精度や耐久性が求められるため、用途に応じた材質選定や精密加工技術が不可欠となります。それらの周辺技術が安定した生産体制を支え、半導体の品質が確保されるのです。
三ツ矢について
当社、株式会社三ツ矢では、半導体製造工程向けの様々な治具を提供しており、工程の安定化や作業効率の向上をサポートしています。既存部品の仕様を一部変更したい、部品を交換したいが図面がない、他社で技術的に製作できないと断られた部品がある、といったご相談・ご依頼にも柔軟に対応しています。
また、製品用治具だけでなく、工程内で使用する作業机やキャスター付き作業台など、特別仕様の製作にも対応しています。ご興味がございましたらお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
半導体は現代社会に欠かせないもの
今回は「半導体とは何か?」というテーマで解説しました。半導体は、私たちの生活や産業を支える重要な存在です。様々な種類があり、家電や自動車、医療機器、インフラ分野まで幅広く活用されています。
基本的な仕組みや種類、活用例を理解することで、ニュースや技術動向への理解もより深まるでしょう。
