製造業の技術力を“見える化”する取り組み
~ミニ四駆企業対抗戦への挑戦~
ミニ四駆と聞くと、
「子どもの頃に遊んだおもちゃ」
「趣味の世界」
というイメージを持たれる方も多いかもしれません。
そんなミニ四駆を使った企業対抗戦に、私たちは製造業として参加しています。
最初にこの取り組みをお伝えすると、
「面白そうですね」
「意外ですね」
といった声をいただくことがほとんどです。
ですが、このプロジェクトは単なるイベント参加や社内レクリエーションではありません。
私たちのものづくりの考え方や強みを、非常に分かりやすく表現できる取り組み だと考えています。
ミニ四駆は「小さな製造業」
ミニ四駆は非常にシンプルな構造に見えますが、
実際に速さや安定性を追求しようとすると、想像以上に奥が深い世界です。
- パーツの個体差
- 組み付け精度
- 重量バランス
- 回転抵抗
- セッティングの再現性
これらはすべて、私たちが日常の製造現場で向き合っている課題と本質的に同じです。
「なんとなく速そう」
「感覚的に良さそう」
そういった曖昧な判断では、結果は安定しません。
だからこそ、ミニ四駆であっても
仮説を立て、組み、測定し、検証する
というプロセスを大切にしています。

「まずは仮組状態で全体バランスを確認します」
仮組から始まる“検証前提”のものづくり
プロジェクトでは、いきなり完成形を目指すことはしません。
まずは仮組を行い、
- 各部の干渉
- 組み付けの癖
- 調整代がどこに残っているか
を確認します。
これは実際の製品製作と同じ考え方です。
最初から完璧を狙うのではなく、
「後で調整・改善できる余白」を把握すること を重視しています。

「細かな調整作業も一つひとつ確認しながら進めます」
感覚ではなく「測定」で判断する
ミニ四駆プロジェクトにおいて、私たちの強みが最も表れるのが測定です。
速くなった理由、遅くなった理由。
安定した理由、ブレが出た理由。
これらを「なんとなく」で終わらせず、
数値として捉え、次に活かす ことを意識しています。
測定結果はゴールではありません。
改善のためのスタート地点 だと考えています。

「測定結果をもとに次の改善点を洗い出します」
普段の仕事と、やっていることは変わらない
このプロジェクトを進める中で、
社内からはこんな声も出てきました。
「やっていること、普段の仕事と同じだね」
まさにその通りです。
対象が
- 製品なのか
- ミニ四駆なのか
違うだけで、
考え方・進め方・向き合い方は何も変わりません。
だからこそ、私たちはこの企業対抗戦を
「技術を遊びに使っている」のではなく、
「技術を分かりやすく伝える場」 として捉えています。
この取り組みを通じて伝えたいこと
私たちがこのコラムを通じてお伝えしたいのは、
ミニ四駆が速いかどうか、勝てるかどうか、という結果だけではありません。
- なぜそう判断したのか
- どんな検証を行ったのか
- どんな考え方で改善したのか
そのプロセスそのものに、私たちの強みがあります。
製品開発や品質でお悩みのお客様にとって、
「どんな会社が、どう考えて仕事をしているのか」
を知っていただく一つの材料になれば幸いです。
次回予告
次回は、このプロジェクトの中でも特に重要な要素である
「測定」 について、もう少し具体的にご紹介します。
ミニ四駆で行っている測定と、
普段の製造現場での測定がどのようにつながっているのか。 私たちの仕事の裏側を、引き続きお伝えしていきます。
