
真鍮は古くから装飾品や楽器、電子部品などさまざまな分野で活用されてきた金属です。近年では機械部品や精密機器の需要拡大にともない、真鍮の加工技術に対する関心も年々高まっています。
今回は、真鍮の加工の難易度をはじめ、精密加工の概要や主な方法などを解説します。真鍮の加工をお考えの方や依頼先をお探しの方はぜひ参考にしてください。
真鍮の加工は難しい?
真鍮は、銅と亜鉛を主成分とする合金であり、黄銅とも呼ばれる金属です。一般に展延性や切削性に優れていて、金属のなかでは比較的加工しやすい素材として知られています。また、曲げ加工への適応性が高く、亜鉛の含有量によって硬さや加工特性が変化する点も、真鍮ならではの特徴といえます。
一方、精密加工では、加工熱による材料の膨張や工具の摩耗、切りくずの処理などが寸法精度や表面品質に影響することがあります。そのため、寸法精度が求められる部品の加工においては、工具の選定や切削条件の管理に細心の注意が欠かせません。
真鍮の精密加工とは?

精密加工とは、ミクロン単位の高い寸法精度や優れた表面品質が求められる加工技術の総称です。一般的な加工に比べて、より厳密な寸法管理や微細な形状の実現が求められるため、高度な技術と専用の設備が必要となります。
主な活用分野
電子・電気分野では、コネクターピンや端子、スイッチ部品、基板用部品など、導電性を活かした部品に幅広く用いられています。自動車分野では、バルブや継手、センサー周辺部品、流体制御部品などに採用されることがあります。
また、医療関連機器や計測機器の構成部品、光学・精密機器分野におけるカメラや時計の内部部品などにも利用されています。高い寸法精度と美しい表面仕上げが求められる場面で、真鍮の精密加工技術は活用されています。
真鍮の精密加工の主な方法

真鍮の精密加工には、切削加工や研削加工、放電加工などがあります。
それぞれ加工原理や得意とする形状、仕上がりの精度が異なるため、部品の用途や生産数量、求められる寸法精度に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。
切削加工
刃物工具を用いて真鍮の不要な部分を削り取り、所定の形状や寸法に仕上げる方法で、コネクター部品や電子機器部品、機構部品など、幅広い精密部品の製造に採用されています。適切な工具や条件を選ぶことで、比較的高速かつ高精度に加工できます。
フライス盤やマシニングセンタを使用すれば、平面、穴、溝、曲面など、さまざまな形状に対応可能です。多軸加工では、一度の段取りで複数の面を加工できるため、段取り替えの回数を抑えながら、複雑な部品を効率よく仕上げられます。
また、NC旋盤や自動旋盤を使用した加工では、ピンやシャフト、ねじ部品などを高い再現性で量産できます。
研削加工
砥石を用いて真鍮の表面を微細に削り、高い寸法精度と滑らかな表面に仕上げる方法です。切削加工だけでは得にくい精密な寸法や、優れた面粗度が求められる場合に用いられます。
加工方法には、平面を整える平面研削、円筒形状の外周を仕上げる円筒研削、穴の内側を加工する内面研削などがあります。部品の形状や精度に応じて加工方法を使い分けることで、ミクロン単位の仕上げにも対応可能です。
ただし、真鍮は比較的軟らかく粘りがあるため、加工条件によっては砥石に切りくずが詰まることがあります。そのため、素材に適した砥石の選定や、切込み量、回転速度などを適切に管理することが重要です。
放電加工
放電加工は、電極と材料の間に放電を発生させ、その熱エネルギーによって材料を少しずつ除去する加工方法です。真鍮は電気を通す素材であるため、放電加工を適用できます。
刃物工具を直接当てずに加工するため、工具が入りにくい狭い部分や、微細な穴、細い溝、複雑な輪郭などの加工に適しています。また、加工時に大きな機械的負荷がかかりにくいため、切削加工では変形しやすい形状にも対応しやすい点が特徴です。
形彫り放電加工やワイヤ放電加工、細穴放電加工などがあり、金型部品や精密機器部品の製造で活用されています。切削加工で全体の形状を整えたあと、放電加工で細部を仕上げるなど、複数の加工方法を組み合わせることで、より複雑で高精度な部品を製造できます。
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真鍮の精密加工について
真鍮は加工性に優れた金属である一方、高い寸法精度や複雑な形状が求められる精密加工の分野では、材料特性を踏まえた工具選定や工程管理が欠かせません。
切削加工や研削加工、放電加工など、用途や求められる精度に応じて最適な加工方法を選択することが、部品の品質を左右する重要なポイントとなります。信頼できる依頼先を見極めたうえで、真鍮の持つ魅力を最大限に引き出す精密加工を実現しましょう。
